文献詳細
初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法
文献概要
切除標本上0.5cm以下の癌を微小癌と呼んでいる.われわれの教室では切除標本を0.5~0.7cm間隔で全割し,病理組織学的に検討している.過去5年間で56病変の微小癌が病理組織学的に発見されているが,単発の臨床で発見した微小癌は11症例である.56病変の肉眼形態はⅡc 43病変,Ⅱb 12病変,Ⅱa 1病変である.臨床での発見例は全病変Ⅱcである,形態学的診断にはその肉眼型を十分に知ることが必要である.
X線診断は陥凹部にはバリウムを溜め,隆起部は,隆起の辺縁でバリウムをはじかせ,そのX線像で病変の存在と,質的診断を行っている.現在のX線診断能であれば,肉眼形態的に陥凹,隆起をはっきり指摘できる病変であれば,0.5cm以下の病変でも描写可能である.われわれの教室で病理組織学的に発見された微小癌の大半はⅡcであるが,切除標本上では病変を指摘できないものが大半である.単発で臨床的に発見された病変の中にも切除標本上病変を指摘できる病変と,できない病変とがある.本稿では,X線診断の容易な微小癌と,切除標本上病変を指摘できない症例のX線像を供覧して,微小癌のX線診断について述べる.
X線診断は陥凹部にはバリウムを溜め,隆起部は,隆起の辺縁でバリウムをはじかせ,そのX線像で病変の存在と,質的診断を行っている.現在のX線診断能であれば,肉眼形態的に陥凹,隆起をはっきり指摘できる病変であれば,0.5cm以下の病変でも描写可能である.われわれの教室で病理組織学的に発見された微小癌の大半はⅡcであるが,切除標本上では病変を指摘できないものが大半である.単発で臨床的に発見された病変の中にも切除標本上病変を指摘できる病変と,できない病変とがある.本稿では,X線診断の容易な微小癌と,切除標本上病変を指摘できない症例のX線像を供覧して,微小癌のX線診断について述べる.
掲載誌情報