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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻11号

1991年11月発行

文献概要

早期胃癌研究会

1991年9月の例会から

著者: 望月福治1 武藤徹一郎2

所属機関: 1仙台市医療センター内科 2東京大学第1外科

ページ範囲:P.1330 - P.1331

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 〔第1例〕55歳,女性.表在食道癌0-Ⅱc(症例提供:都立駒込病院内科 加藤).

 読影は八巻(虎の門病院放科)が担当.X線では胸部中部食道に結節状隆起と粘膜集中像がみられ,中心にバリウムの溜まりがある(Fig. 1).内視鏡でも同様であるが,境界は明瞭であり,内視鏡のほうが全周性であることがわかる.病変は単発で変形が強いので,深達度smの陥凹型の癌とした.これに対して鈴木(岐阜大放科)は,変形の状態と粘膜集中像の存在はsmにがっちりと浸潤している典型像とは異なり,pmも考えたいが,sm量は少なくfibrosisがかなり強いのではないかとした.病理は加藤(駒込病院)により解説された.大きさ4.5cmで,表面の平滑な部分と,その肛門側を取り囲むように顆粒状の隆起が存在し,この部分でsmにmassiveに浸潤する中分化型の扁平上皮癌で,強いfibrosisを伴い,周囲には所々にepの拡がりとmmの部分があるとした.渡辺(新潟大病理)から生検によるfibrosisか否か,白壁からこの病変の分類についての質問があり,これに対して吉田(駒込病院)から,生検の同定は困難であるが,通常,生検により引きつれをもたらすほどのflbrosisは非常にまれである,分類は困難で大雑把に陥凹と隆起の混合型と言えるが,従来の分類では無理であろう,との意見が出された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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