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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻12号

1991年12月発行

文献概要

症例

十二指腸球部Ⅱa型早期癌の1例

著者: 宮本忠壽1 松葉周三1 横山善文1 伊藤誠1 武内俊彦1 杉村宗昭2 中村隆昭3 立松正衞4

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科 2杉村医院 3名古屋市立大学医学部付属病院中検病理 4愛知県がんセンター研究所超微形態学部

ページ範囲:P.1395 - P.1399

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要旨 患者は45歳,女性.主訴は上腹部痛.入院時理学的および血液・生化学検査では特に異常を認めなかった.上部消化管X線検査では十二指腸球部前壁から小彎にかけて結節状で境界明瞭な扁平隆起を認めた.内視鏡検査では,一部に粗大結節を伴う大小不同の隆起で,表面に発赤を伴い,生検にてGroup Ⅴと診断された.切除標本では,大きさ1.9×1.4cmで組織学的には深達度mの高分化型腺癌であった.癌巣周囲には組織学的に幽門腺化生などは認められず,また癌細胞の分化形質を粘液組織染色〔paradoxical concanavalin A(Con A)染色,galactose oxidase-Schiff(GOS)染色,sialidase-GOS(S-GOS)染色〕およびペプシノーゲン(PgⅠ,Ⅱ)免疫組織染色を用い検討した結果,本症例はBrunner腺より発生した十二指腸癌と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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