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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻12号

1991年12月発行

文献概要

症例

腸結核病巣内に発生した絨毛腺腫内癌の1例

著者: 下平雅哉1 浅井俊夫1 岡村正造1 山口初宏1 室博之2 前多松喜2 山本義樹3

所属機関: 1豊橋市民病院内科 2豊橋市民病院病理 3山本内科

ページ範囲:P.1413 - P.1418

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要旨 患者は70歳,女性.61歳時に腸結核の治療歴あり.主訴は腹痛と下血.大腸X線,内視鏡検査にて右半結腸は短縮し,炎症性ポリープ,mucosal bridge,瘢痕帯の所見と共に,上行結腸に大きさ7×7cmの平坦な隆起性病変を認め,その表面は顆粒状で一部は大小不揃いな結節状を呈していた.病理学的には,横行結腸から回腸終末部まで粘膜の萎縮,粘膜下層の線維化と炎症性ポリープを認め,上行結腸の平坦な隆起性病変は,表面が顆粒状を呈した部位は腺管絨毛腺腫であったが,結節状を呈した部位は高度異型腺腫と深達度mの高分化型腺癌であった.以上より,腸結核病巣内に発生した絨毛腺腫内癌と診断した.なおS状結腸にもIs型の深達度mの高分化型腺癌を認めたが,周囲粘膜は正常であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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