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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻12号

1991年12月発行

文献概要

症例

脾臓に穿通した巨大胃潰瘍の1例

著者: 小泉和三郎1 佐田美和1 田辺聡1 大井田正人1 西元寺克禮1 岡部治弥2 菅知也3 中英男3

所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里ヘルスサイエンスセンター 3北里大学医学部病理

ページ範囲:P.1429 - P.1433

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要旨 患者は52歳,男性.心窩部痛,左側背部痛を主訴に来院.他院にて胃体上部大彎の潰瘍性病変に対するH2受容体拮抗剤を含む抗潰瘍剤の治療を受けたが改善がみられず,体重減少も4か月で14kgに達したため当院受診,内視鏡的に潰瘍底は巨大な洞窟状の深掘れ潰瘍を認め,周囲の粘膜ひだは著明に腫大していた.CTスキャンにて潰瘍底はほぼ脾臓に達していた.切除標本では胃体上部大彎後壁寄りに深掘れ潰瘍と浮腫状の粘膜ひだが,あたかも腫瘤状に盛り上がってみられ,割面では潰瘍底部で胃壁は完全に断裂し,深く脾臓に穿通していた.周囲は脾臓により挙上された状態で,潰瘍辺縁の粘膜下には著明な浮腫,線維化がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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