icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

文献概要

今月の主題 食道“dysplasia”の存在を問う 主題

食道“dysplasia”の存在意義はあるのか

著者: 渡辺英伸1 多田哲也1 岩渕三哉1 味岡洋一1 本山悌一1 石原法子1 衛藤薫1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.133 - P.140

文献購入ページに移動
要旨 癌,dysplasia病変,良性病変の臨床診断で,外科的に切除された食道の詳細な肉眼観察とルゴール染色の後,異常病変を組織学的に分析した.また,食道扁平上皮dysplasiaの有無を検討するために,上皮内腫瘍病変(上皮内癌と従来のdysplasia)と浸潤癌の上皮内腫瘍部分との形態学的比較をした.上皮内腫瘍と浸潤癌の上皮内腫瘍部分とは,形態学的に同一であった.浸潤部では,組織異型度が一般により高度であった.しかし,これら腫瘍と反応性幼若上皮は組織学的に異なっていた.従来のdysplasiaに相当する上皮は,ときに粘膜固有層,粘膜筋板,粘膜下層へ浸潤しており,低いBrdU標識率を示した.したがって,食道扁平上皮が組織学的に異型を示す病変は,反応性幼若上皮(食道炎,びらん・潰瘍,過形成=乳頭腫,など),低異型度癌と高異型度癌とに分類でき,用語“dysplasia”は不要と結論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら