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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

今月の主題 食道“dysplasia”の存在を問う

主題

食道粘膜の異型性病変と内視鏡所見

著者: 村岡実1 神津照雄1 大島郁也1 山田英夫1 菱川悦男1 小野田昌一1 磯野可一1 堀江弘2

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科 2千葉県こども病院検査部病理

ページ範囲:P.163 - P.173

文献概要

要旨 食道異型性病変の鑑別をルゴール散布所見を中心に検討した.ルゴール非染部をgrade Ⅲ~Ⅴの3段階に分類し検討を試みると,grade Ⅲは良性病変,grade Ⅳは食道dysplasia,grade Ⅴは扁平上皮癌というように,ある程度組織型の推察ができた.このルゴールによる染色程度の差は非染となる部分のグリコーゲン量を反映している.また,病理学的にdysplasiaと判定された病変の生物学的特徴を細胞核DNA量により検討した.DNAヒストグラムパターンは,異型度が増すにつれてaneuploidyの出現頻度が増加した.核DNA量および分散幅においては,dysplasiaは正常上皮と扁平上皮癌の中間のDNA量を有し,異型度が増すにつれてそれらの増加が認められた.今後経過観察されるdysplasiaの予後を推定する手段として核DNA量測定法の活用が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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