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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

今月の主題 食道“dysplasia”の存在を問う

主題

食道上皮内癌,異型病変の診断と治療―内視鏡的粘膜切除の成績について

著者: 門馬久美子1 榊信廣1 加藤久人1 田島強2 室井正彦3 吉田操3 岩崎善毅4 滝沢登一郎4

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院内視鏡科 3東京都立駒込病院外科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.197 - P.208

文献概要

要旨 われわれは,内視鏡的食道粘膜切除法を新たに開発し,上皮内癌,異型病変の診断向上を目指してきた.自験例の検討から,本法は食道上皮内癌と粘膜癌の多くに対する根治的治療法としても有効と考えられたので,具体的な手技と共に成績を述べた.粘膜切除を施行した異型病変2例中1例の病変内に,ごく一部ではあるが,癌病巣を含む症例があることが判明した.食道上皮内癌と粘膜内癌の深達度診断および局所治療を目的に,ep癌7例とmm癌3例に対して内視鏡的粘膜切除を行った.ep癌7例中6例は深達度epの癌であり,1例は再生性の変化のみで癌病巣は存在していなかった.mm癌3例はすべて深達度mmの癌であった.内視鏡的粘膜切除は,切除組織の病理組織学的検討ができるため,深達度を含めた確定診断と治療の適否および追加治療の必要性を含めた局所根治の評価ができる方法であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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