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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

文献概要

症例

Ⅱa集簇型を呈した未分化型胃m癌の1例

著者: 真口宏介1 折居裕1 峯本博正1 斉藤裕輔2 岡村毅与志2 並木正義2 下田忠和3

所属機関: 1旭川厚生病院消化器科 2旭川医科大学第3内科 3東京慈恵会医科大学第2病理

ページ範囲:P.209 - P.215

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要旨 患者は70歳女性.当院ドックで胃X線検査の異常を指摘され当院入院となる.胃X線,内視鏡検査で,幽門部前壁にⅡa集簇型を呈する病変を認めた.術前の生検では,粘膜表層部は腺窩上皮型の異型上皮に極めて類似した異型腺管で覆われ,粘膜深層部に印環細胞癌を認め,腺窩上皮(胃)型の異型上皮に印環細胞癌を併存したものと診断,手術を行った.術後の病理組織学的検索で,幽門部前壁の病変は,80×65mm大の1つの領域内に大小の結節状の隆起の多発集簇があり,Ⅱa集簇型胃癌と診断されたが,隆起部粘膜は,表層部で極めて分化した腺窩上皮型の分化型腺癌があり,中層から深層部にかけてその腺管構造が乱れ印環細胞癌に連続的に移行する像を認め,この印環細胞癌の粘膜内増殖が著明であった.このような組織像を示すⅡa集簇型胃癌症例は極めてまれであり文献的考察を加えて報告する

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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