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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

文献概要

症例

微小胃粘膜下腫瘍として発見しえた胃悪性リンパ腫の1例

著者: 山道昇1 細川治1 武田孝之1 津田昇志1 山崎信1

所属機関: 1福井県立病院外科

ページ範囲:P.223 - P.227

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要旨 胃消化性潰瘍の経過観察中に発見しえた微小胃悪性リンパ腫を経験した,患者は78歳男性.74歳時より消化性潰瘍で治療を受けている.今回胃X線検査で前庭部の小隆起性病変を指摘される.胃内視鏡検査では前庭部前壁の周囲粘膜よりなだらかな移行を示す粘膜下腫蕩を思わす隆起性病変で,中心に三角形の白苔を伴う陥凹を認めた.生検により悪性リンパ腫が疑われ,1988年7月26日手術を施行した.肉眼的にはbridging foldを伴う径0.6cm大の粘膜下腫瘍で中心に陥凹を伴っていた.組織学的にはsmまで浸潤を示す大細胞型B cellリンパ腫であった.本症例は粘膜下腫瘍様の形態を示す微小胃悪性リンパ腫で,胃リンパ腫の初期像を示しているものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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