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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

文献概要

症例

直腸に原発した巨大皺襞型悪性リンパ腫の1例

著者: 中郷良蔵1 吉田栄一1 黒河達雄1 梅田政吉2 小林省二3

所属機関: 1済生会今治病院外科 2済生会今治病院内科 3香川医科大学第1病理

ページ範囲:P.228 - P.232

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要旨 患者は62歳,男性.肛門出血を主訴に来院した.内視鏡検査では,肛門縁より約4cmの部位から発赤を伴う粘膜ひだの腫大が15cm口側まで認められた.直腸下部が最も著明で,S状結腸移行部あたりから次第に正常粘膜に移行していた.生検では悪性リンパ腫と診断された.術前の検索により直腸原発悪性リンパ腫と診断し,直腸切断術を行った.切除標本では,肛門縁よりS状結腸下部まで連続性に拡がる巨大皺襞型の悪性リンパ腫であった.このtypeのものは直腸では非常にまれである.病理所見では,LSG分類でdiffuse lymphoma,medium-sized cell type,B cell(IgM産生)typeであった.術後は,化学療法(CHOP)を行っているが現在のところ再発の徴候もなく経過している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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