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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

文献概要

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法

1.どうして精密検査が必要か

著者: 丸山雅一1

所属機関: 1癌研究会付属病院内科

ページ範囲:P.233 - P.235

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精密X線検査とは

 既に病変の存在がわかっている場合に,その病変の肉眼所見に可能なかぎり1対1の対応を求めることができるX線所見を得ることを目的として行う検査を精密検査と定義する1).したがって,精密検査を行う際には,その対象となる病変に関する既知の情報があることが前提になる.また,精密検査とは,手術,ないしはこれに準ずる治療法を目的とした病変に対して行われるべきである.ゆえに,消化性潰瘍などの良性疾患は,原則として,精密検査の対象とはならない.

 かつて,既知の情報とは,ルーチンX線検査(初回検査)と内視鏡検査(生検の情報も含む)の両者の情報を意味するものであった.しかし,細径ファイバースコープによるパンエンドスコピーが上部消化管の検査としてルーチン化された時点で,それは,必ずしも両者の情報を意味するものではなくなってしまった.具体的に言うならば,パンエンドスコピーから精密X線検査という検査のルートがありふれたものになっているということである.現実的な状況認識としてのルーチンという言葉は,X線検査の場合にのみ使うものではないということであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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