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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻2号

1991年02月発行

文献概要

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法

1.どうして精密検査が必要か

著者: 馬場保昌1

所属機関: 1癌研究会附属病院内科

ページ範囲:P.236 - P.237

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 胃X線検査には,異常所見を見つけ出し病変を拾い上げることを目的とした検査と,異常所見について更に詳しく検査し,病変の性状や拡がりを判定することを目的とした検査がある.一般に前者をルーチン検査,後者を精密検査と呼んでいる.両者は前処置や撮影手順の点で異なる.ところで,胃X線検査は被写体があり,造影剤とX線撮影装置を用いて胃の形や粘膜面の形態を画像として表現することであるが,その診断成績は撮影された写真の質の良し悪しに左右される.更に,この写真の質の良し悪しは,撮影手技,被写体(胃の形や胃内溶液など),撮影装置(感材系を含めた),造影剤などの諸因子に大きく左右される.したがって,精密検査とは,これらの諸因子を可能な限り最良にした検査であって,切除胃肉眼所見に近い像を表すことができ,病変の存在診断をはじめ,質的診断や浸潤範囲,更には深達度診断も可能な検査ということになる.「どうして精密検査が必要か」との問いに対する答は,以上述べたことに尽きる.以下,現在行っている精密検査の概要について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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