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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻3号

1991年03月発行

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的切除(1)―根治を目的として

主題

早期胃癌に対するHSE局注を併用した内視鏡的切除法―根治を目的として

著者: 内沢政英1 平尾雅紀2 升田和比古1 宮崎有広1 今津純夫1 原忠之1 坂井徹1 芝田行徳1 高平敏一1 浅沼建樹1 松浦侯夫1 河内秀希1 古屋雅三知3 山口修史3 仲紘嗣3

所属機関: 1北海道勤医協中央病院内科 2北海道勤医協中央病院外科 3北海道勤医協札幌病院

ページ範囲:P.275 - P.282

文献概要

要旨 内視鏡的粘膜切除術の1つであるERHSEの特徴は,①HSE液の併用,②ダブルスコープ方式の導入,③切除予定線をマーキングするため切除範囲が正確であること,④回収病変の口側に点墨し位置関係が明瞭なこと,⑤組織を回収し病理組織学的に治療効果を判定できること,である.早期胃癌に対し今回ERHSEの評価を切除率,癌遺残率,合併症,今後の課題,予後などについて検討した.対象は1982年5月から1989年3月までに本法が施行された早期胃癌160例164病変とした.ERHSEのみの切除成績は90.0%であり内視鏡治療として十分満足できるものであった.死亡例,重篤な合併症は認められなかった.消息判明率99.3%で5年生存率は82.3%であった.胃癌直接死亡例はなかった.追加外科的切除は14例であった.局所遺残・再発は2例のみであった.経過観察144例には再発は認めていない.以上からERHSEは早期胃癌に対して優れた根治的内視鏡治療法の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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