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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻3号

1991年03月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的切除(1)―根治を目的として 主題

早期胃癌の内視鏡的切除法

著者: 田中清一1 平塚秀雄1

所属機関: 1平塚胃腸病院外科

ページ範囲:P.283 - P.288

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要旨 早期胃癌100例104病巣を内視鏡的切除した.Ⅰp,2cm以下のⅠs・Ⅱa,1cm以下Ul(-)Ⅱcの分化型腺癌と,胃底腺領域以外の5mm以下のⅡcの未分化型腺癌を適応としている.組織学的に多量の粘膜下浸潤があれば,胃切除をする.病巣を把持鉗子でつまみ上げ,あらかじめ行ったマーキングが残らないようスネアで絞抱する.続いて出血予防に50%グルコースを局注し,高周波で切除する.現在,合併症はない.適応内のものでは断端癌陽性は35病巣(36%),うち9病巣に遺残を認めた.生検癌陰性化後1年未満を除くと遺残率は11%である.遺残は胃角,胃体・前庭小彎のものにあったが,マイクロ波凝固で生検癌陰性となった.手技の工夫,適応の慎重な選択が肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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