icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻3号

1991年03月発行

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的切除(1)―根治を目的として

主題

早期胃癌の内視鏡的切除標本の取り扱い―ストリップバイオプシーを対象として

著者: 藤盛孝博1 平山大介1 里中和廣1 中村哲也1 湯川雅彦1 田畑知巳1 寺本忠久1 北沢荘平1 前田盛1 石川羊男2 鹿嶽徹也3 玉田文彦4 西谷和夫5 塚本龍子5 田畑文平5 黒田大介6 柏木亮一6 加藤道男6 斉藤洋一6

所属機関: 1神戸大学医学部病理学第2講座 2兵庫県立成人病センター外科 3鹿嶽医院 4須磨赤十字病院 5仁愛会田畑胃腸病院 6神戸大学医学部外科学第1講座

ページ範囲:P.301 - P.310

文献概要

要旨 実体顕微鏡観察下における癌の診断限界をみる目的で,①質的,②拡がり診断,に分けて検討した.①質的診断では組織像にかかわらず,最大径が3~5mmの癌病巣であれば拡大することで,虫食い,無構造な表面像を有する段差,集中するひだの不規則なやせといった早期胃癌の肉眼的特徴が観察され診断可能であった.②拡がり診断では分化型と未分化型癌で診断の限界に差がみられた.分化型癌例であればAH染色実体顕微鏡観察像からの拡がり診断と連続切片による組織学的再構築像による拡がり診断とはほぼ一致していた.一方,未分化型癌では,その両者の診断領域に不連続な癌進展により3~4mmの差があった.したがって,実体顕微鏡観察下に癌進展を推定し組織標本を作製することは分化型癌例では切除断端における癌遺残の判定に有効であると考えられたが未分化型癌例では切除断端における不連続な癌進展によりfalse negative caseが生じる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら