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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻3号

1991年03月発行

文献概要

症例

比較的短期間のうちに形態変化を来した胃悪性リンパ腫の1例

著者: 平田稔彦1 下野健治1 下村洋一1 潮崎明1 石岡知憲1 大倉澄子1 志賀俊明1 山田耕三1 岡田利邦1 細井董三1 野本一夫1 西澤護1 石堂達也2 中村恭一2

所属機関: 1東京都がん検診センター 2筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.321 - P.326

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要旨 患者は77歳,男性.心窩部痛のため胃集検を受診,胃体部の粘膜異常を指摘された.精検で前庭部前壁側に,周辺部が褪色調のなだらかな盛り上がりを示し,中央部が結節状を呈する不整な隆起性病変が認められ,生検で形質細胞腫または形質細胞への分化を示す悪性リンパ腫と診断され,胃全摘術を施行.手術標本の組織学的検索で広範囲にわたるmixed typeのlymphoma cellの増生が認められ,また,リンパ腫病巣とは独立して広範に腫瘍性形質細胞が存在した.比較的短期間のうちに病像が著しく変化し形質細胞腫との鑑別が困難であった胃悪性リンパ腫の1例を報告し,胃癌および胃形質細胞腫との鑑別について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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