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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻3号

1991年03月発行

文献概要

症例

慢性関節リウマチに合併した回盲弁非特異性潰瘍の1例

著者: 早坂隆1 小林寿美子1 神谷喜一郎1 保浦真一1 桑原慎一1 菅原俊1 佐々木春喜1 斎藤弘1 藤井正三1 山崎康夫2 伊藤哲夫3

所属機関: 1函館中央病院内科 2釧路労災病院内科 3市立札幌病院病理

ページ範囲:P.327 - P.330

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要旨 患者は37歳,女性.慢性関節リウマチ(classical,stage Ⅲ,class 2)に回盲弁の非特異性潰瘍を合併した1例について報告した.病変は回盲弁に限局しており,内視鏡所見では回盲弁の上唇と下唇に白苔を有する円形の潰瘍が1個ずつみられ,周辺は肉芽様に盛り上がっていた.生検材料の組織所見は好中球,リンパ球浸潤の高度な肉芽性問質を有する組織で,特異性炎症や血管炎の所見はなかった.潰瘍はステロイドの急激な減量によって悪化し,増量,慎重な漸減によってコントロールされている.本症例の潰瘍は自己免疫疾患である慢性関節リウマチに合併し,しかもステロイド剤でコントロールされており,潰瘍の発症機序を考えるうえで興味ある症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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