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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻3号

1991年03月発行

文献概要

症例

膵管分枝に発生した粘液産生早期膵癌の1例

著者: 関誠1 堀雅晴1 高木國夫1 太田博俊1 上野雅資1 村上義史2 大橋計彦2 竹腰隆男2 柳沢昭夫3 加藤洋3 中佳一4

所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会附属病院研究所病理部 4東名厚木病院

ページ範囲:P.339 - P.345

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要旨 患者は65歳,男性.主訴は全身倦怠感,他院US検査で膵頭部囊胞性腫瘤像を指摘され入院.US,CT検査では膵頭部に径約4cmで内腔に乳頭状突出像を伴う囊胞性病変が認められた.十二指腸内視鏡では主乳頭開口部の開大と少量の粘液排出がみられ,ERPでは膵頭部に主膵管と交通し,陰影欠損のある不整形の造影剤の貯溜と体尾部主膵管の拡張がみられた.以上から膵管分枝に発生した粘液産生膵癌と診断,膵頭十二指腸切除を施行した.病理組織学的に腫瘍は多房性囊胞病変で内腔に突出する乳頭腺癌,膵実質に浸潤する粘液癌,蜂巣状の腺腫が混在した.t2,n(-),s0,rp0,pv0,stageⅡ術後1年8か月現在再発の徴候なく健在である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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