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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻4号

1991年04月発行

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海外文献紹介「小児と若年成人におけるBarrett食道」 フリーアクセス

著者: 伊藤克昭1

所属機関: 1愛知県がんセンター内視鏡部

ページ範囲:P.387 - P.387

文献概要

 Barrett's esophagus in children and young adults-Frequent association with mental retardation: Snyder JD, et al(Dig Dis Sci 35: 1185-1189, 1990)

 若年者のBarrett食道に関する疫学データはほとんどない.著者らは1982-1986年の問にボストンの小児病院で内視鏡的食道生検が施行された症例(1,173例に対する1,423件の生検)を対象に,若年者のBarrett食道について検討した.検討対象のうち食道炎の所見は397例に認められ,10例がBarrett上皮と診断されていた.これは全生検例の0.9%,食道炎症例の2.5%であった.Barrett上皮10例のうちspecialized columnar epitheliumは7例にみられた.Barrett上皮を有した症例の平均年齢は19±7.9(3.7~27)歳,食道生検例全例の平均年齢は8.7±6.7(4~31)歳であった.Barrett食道症例の80%は男性であり,検討対象全例の54%に比し,いっそう男性有意の度合が強かった.次にBarrett食道症例10例と1984-1985年の間に施行された食道生検例541例を対象に,Barrett食道発生に関係しうる因子を検討した結果,知恵遅れがBarrett食道症例では70%にみられ,食道生検全例での15%に比し有意に頻度が高かった.このことは今までに記載のない知見であった.また,知恵遅れは食道炎の19%にみられ,有意差はないものの生検正常例の14%よりも高かった.人種,先行する狭窄,逆流性食道炎手術歴などとBarrett食道には有意な関連はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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