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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻4号

1991年04月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的切除(2)―内視鏡的根治切除の評価 主題

早期胃癌内視鏡的切除の評価―病理の立場から

著者: 滝澤登一郎1 岩崎善毅1 加藤久人2 門馬久美子2 榊信廣2 小池盛雄1

所属機関: 1東京都立駒込病院病理科 2東京都立駒込病院内科

ページ範囲:P.389 - P.396

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要旨 内視鏡的に切除される早期胃癌について病理学的には切除端と粘膜下浸潤の2つの問題がある.胃癌を便宜的に高分化型癌と低分化型癌に大別し,それぞれの問題について検討した.高分化型癌では,実体顕微鏡観察の裏付けと,十分に切り出された病理組織標本があれば,切除端に癌が認められなければ完全切除と診断する.低分化型癌の場合は,より厳しい判定基準が求められ,切除端と癌巣辺縁との間に0.5cm程の距離が必要と考える.粘膜下浸潤が認められた場合は,原則として外科的治療を追加すべきである.内視鏡的切除の対象となる病変は,1回の切除で完全採取が可能な比較的小さい病変に限るべきで,高分化型癌は2cm以下,低分化型癌は1cm未満の潰瘍や潰瘍搬痕を合併しない粘膜内癌である.正確な根治性の評価には,適切かつ十分な病理標本の作製が必要不可欠な条件である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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