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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻4号

1991年04月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的切除(2)―内視鏡的根治切除の評価 主題症例

内視鏡的切除術を行った前庭部早期胃癌(印環細胞癌)の1例

著者: 田中雅也1 芦田潔1 梅垣英次1 三好博文1 大柴三郎1 岡島邦雄2 堤啓3

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学一般・消化器外科 3大阪医科大学中央検査部病理

ページ範囲:P.409 - P.414

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要旨 患者は65歳,男性.心窩部不快感を主訴に近医を受診し,胃内視鏡検査によって前庭部後壁にⅡc型早期胃癌が発見された.当科における胃X線検査,内視鏡検査では,深達度m.Ul(-)のⅡc型早期胃癌と診断した.病巣の最大径は,X線上15mmであり,組織型は印環細胞癌であったが,患者の同意を得て内視鏡的切除術(endoscopic resection,以下ER)を行った.しかし,ER標本で断端陽性と判定し,またER後の内視鏡検査で人工潰瘍の後壁側にわずかな癌遺残が確認されたため胃亜全摘が行われた.ER標本ならびに術後の組織学的検索でも癌は粘膜内にとどまっており,またリンパ節などへの転移はみられず,局所切除が完全であればERでも根治治療が可能であった症例と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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