icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻4号

1991年04月発行

文献概要

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法

3.前処置の工夫

著者: 西俣寛人1 瀬戸山史郎2

所属機関: 1鹿児島大学第2内科 2鹿児島大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.468 - P.469

文献購入ページに移動
 胃精密X線検査は,病変の存在部位がわかって行う検査であるために,その部位に適した前処置の工夫が可能である.精密検査時は病変部をバリウムで十分洗い,陥凹部にはバリウムを溜め,隆起部には隆起の周囲にバリウムを溜める必要がある.胃内にはX線検査の邪魔になる胃液と胃壁に付着した粘液とがある.少量の胃液であれば多量のバリウムで,胃壁にバリウムを均等に付着させることが可能である.しかし病変の存在部位によっては多量のバリウムを使用すると十二指腸側ヘバリウムが流出し,病変部が小腸と重なり精密検査ができなくなる部位がある.

 多量のバリウムの使用が精密X線検査を難しくする部位は,前庭部と胃体前壁である.この部位では可能なかぎり,ゾンデを胃内に挿入して,胃液を除去して少量のバリウムでX線検査を行うことが良好なX線像を得ることにつながる.

 ゾンデ挿入は患者にとって不快なものである.挿入時に苦しめると,粘度の高い胃液が多量に分泌される.ゾンデより胃液を吸収するときに,粘度の高い胃液は最後まで吸収されずに胃内に残ることがあり,X線検査時の邪魔になることが多い,今回はわれわれが行っているゾンデ挿入法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?