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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻5号

1991年05月発行

文献概要

今月の主題 潰瘍性大腸炎の長期経過 主題

潰瘍性大腸炎のサーベイランス・スタディー

著者: 鈴木公孝1 武藤徹一郎1 阿川千一郎1 久保田芳郎1 澤田俊夫1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.511 - P.520

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要旨 長期経過した潰瘍性大腸炎(UC)患者に対しdysplasiaの発見を目的とした内視鏡検査(surveillance colonofiberscopy:SCF)を行い大腸癌のリスクの評価を行った.1979年より1990年までに90例のUC患者に対し261回のSCFを行った.そのうち全大腸炎型63例(残存直腸型19例)から癌 3,dysplasia: high-grade 2,low-grade 4,indefinite 9,左側型27例からlowgrade 1,indefinite 1例を認めた.indefiniteを含めたdysplasiaの合併頻度は22%であり欧米からの報告に匹敵した.癌3例はすべてDukes Aであり,術後の平均追跡は3年で生存中である.核DNA量の解析によりdysplasiaの診断精度は上昇した.UCに合併する癌,dysplasiaの早期発見にはSCFは有効と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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