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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻5号

1991年05月発行

文献概要

症例

盲腸の大型有茎性良悪性境界病変の1例

著者: 沖啓一1 大橋一郎2 大橋一悌2

所属機関: 1沖医院 2京都大橋総合病院外科

ページ範囲:P.527 - P.531

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要旨 患者は69歳,男性.盲腸に長径45mmの大型で卵形の有茎性のvillous tumorと考えられる腫瘍を認めた症例である.術後の組織学的診断では,villopapillary adenomaと診断され,細胞の偽重層が強いが,多形性,極性の乱れが少ないことから良悪性境界病変と考えられた.術前検査として,注腸X線検査と2回の内視鏡検査が行われたが,その検査所見にはかなりの差が認められた.3種類の検査にはそれぞれ異なった前処置が行われたが,この検査所見の差は,前処置の違いによることが想定された.回盲部の腫瘍は厚い粘液に覆われ,粘膜の洗浄が不十分な場合には,腫瘍の表面性状が正しく表現できないことがあると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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