icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻5号

1991年05月発行

症例

X線像による5年間の遡及的検討が行われた動脈瘤型原発性小腸悪性リンパ腫の1例

著者: 関口隆三1 牛尾恭輔1 石川勉1 縄野繁1 水口安則1 河原郁夫1 市川太郎1 大村卓味1 若尾文彦1 山田達哉1 杉原健一2 板橋正幸3 廣田映五3 高木宏子4

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター外科 3国立がんセンター研究所病理部 4後谷診療所

ページ範囲:P.559 - P.566

文献概要

要旨 X線学的に5年間のさかのぼ及的検討ができた原発性空腸悪性リンパ腫の1例を経験し,その初期像,また発育進展に関して若干の知見を得たので報告した.腫瘍は腸管壁内に限局し,内腔に潰瘍や腫瘤を形成することもなく,全周性にびまん性の浸潤を呈し,腸管は著明な壁の肥厚と紡錘状拡張を来していた.組織学的には,non-Hodgkin lymphoma,diffuse,small cell type,well differentiated,B cell typeであった.さかのぼ及的検討から,本症例においては,腫瘍は腸管の長軸方向にびまん性に発育・進展し,腸管の紡錘状拡張を生じたものと考えられた.また小腸悪性リンパ腫のX線の初期像の1つとして,①病巣辺縁部の2~3mm大の顆粒の集簇,②区域性に認められるKerckringひだのわずかな腫大が重要な所見と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら