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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻5号

1991年05月発行

症例

膵頭部神経鞘腫の1例

著者: 尾関豊1 角泰廣1 日野晃紹1 林勝知1 鬼束惇義1 下川邦泰2 加地秀樹3 名知光博4 広瀬一1

所属機関: 1岐阜大学医学部第1外科 2岐阜大学医学部臨床検査医学 3岐阜市民病院病理 4岐阜北内科外科

ページ範囲:P.571 - P.577

文献概要

要旨 患者は52歳,男性.1か月半前に突然,上腹部痛・嘔吐を来し近医を受診したところ,腹部腫瘤を指摘された.膵ホルモンを含む血液検査には著変を認めなかった.上部消化管X線およびERCPで十二指腸脚の開大,総胆管・主膵管の圧排を認めた.US,CT,MRIおよび血管造影ではhypovascularな多房性囊胞性腫瘍として描出された.膵solid and cystic tumorの術前診断で,膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は14×12×8cm大で,割面では腫瘍内に著明な出血・壊死を認めた.組織学的にはS-100蛋白に陽性の紡錘形細胞よりなる神経鞘腫であった.膵神経鞘腫は,膵囊胞性疾患の鑑別診断の1つとして念頭に置く必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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