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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻6号

1991年06月発行

文献概要

今月の主題 Crohn病の長期経過 主題

Crohn病の長期経過―大腸型・小腸型の病像の推移

著者: 西俣寛人1 西俣嘉人1 瀬戸山史郎2 唐仁原寛1 大井秀久1 鮫島朝之1 田畑宏紀1 新原亨1 福留重明1 安田真理1 市来秀一1 上山教夫1 加藤修一1 仲淳一郎1 武三津彦1 有馬暉勝1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2鹿児島大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.643 - P.652

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要旨 長期間経過観察されたCrohn病の17症例のX線像を用いて,Crohn病の病像の推移を検討して次の結論を得た.①小腸の縦走潰瘍の潰瘍周辺の腸管腔が正常に保たれている部位は,寛解,再燃を繰り返していた.②小腸の縦走潰瘍の横軸方向へはみ出した潰瘍部は,発症初期より狭小化し,長期経過するうちに狭窄,管状狭小化し,fissuring ulcerを形成するものがみられた.③この狭窄,管状狭小化した部位は切除標本では,腸間膜は線維化肥厚し,腸間膜対側の腸管は短縮していた.この部位はUⅠ-Ⅲ~Ⅳの潰瘍瘢痕がみられ,マイクロアンギオ像でも虚血状態に陥りやすい形態をしていた.④大腸Crohn病は発症初期から片側性の壁硬化,屈曲のみられる部位は,長期間経過するうちに狭小化,管状狭小を形成する傾向がみられ,この部位にfissuring ulcerもみられた.⑤手術率は約5割であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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