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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻6号

1991年06月発行

文献概要

症例

早期食道基底細胞癌の1例

著者: 武田晋平1 多幾山渉1 高嶋成光1 森田稔2 万代光一3 土井原博義3

所属機関: 1国立病院四国がんセンター外科 2国立病院四国がんセンター内科 3国立病院四国がんセンター病理

ページ範囲:P.655 - P.660

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要旨 食道基底細胞癌は非常にまれな疾患で,切除報告例は極めて少ない.最近,われわれは早期食道基底細胞癌の1切除例を経験した.患者は69歳の男性で,主訴は軽度の嚥下困難である.食道透視ではImからEiに長径約3cmの2~3個の小結節から成る境界不明瞭な腫瘤型病変を認めた.食道内視鏡では同部に表面にびらんを伴った褪色調の隆起性病変を認めた.生検組織診では低分化扁平上皮癌であった.右開胸食道亜全摘,R3リンパ節郭清,後縦隔経路頸部食道胃管吻合術を施行した.摘出標本の病理組織学的検索では,皮膚の基底細胞に類似した小型の類円形細胞が増殖し,一見腺癌様の配列を示したが,真の腺腔形成はなく,食道基底細胞癌と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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