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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻6号

1991年06月発行

文献概要

症例

組織学的に悪性所見を呈した食道顆粒細胞腫の1例

著者: 岩瀬弘明1 森瀬公友1 堀内洋1 楠神和男1 稲垣貴史1 永井弘文2 京兼和宏2 須賀昭二2 秋山清次3 片岡政人3 板橋正幸4

所属機関: 1名古屋大学医学部第1内科 2国立名古屋病院消化器内科 3名古屋大学医学部第2外科 4国立がんセンター研究所病理部

ページ範囲:P.661 - P.668

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要旨 患者は44歳の男性.毎年胃検診を受けていたが,1989年の胃X線検査で食道に異常を指摘された.内視鏡検査では下部食道前壁にびらんを伴う隆起性病変が認められた.生検で顆粒細胞腫と診断し,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.腫瘤は2.0×1.8×1.0cmの大きさで上皮はpseudoepitheliomatous hyperplasiaを呈し,腫瘍細胞には好酸性顆粒が存在し,散在性に異型度の強い腫瘍細胞がみられた.免疫組織化学的検討ではS-100蛋白が陽性であった.3か月後の内視鏡検査で同部位に再び腫瘍が発育し,生検で悪性所見がみられたため手術が行われた.リンパ節転移は認めなかったが,組織学的に悪性と診断された食道の顆粒細胞腫の1例を文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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