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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻6号

1991年06月発行

症例

術中膵管鏡で最終診断しえた表層拡大型膵管内乳頭状腺癌の1例

著者: 浅田康行1 三浦将司1 小西二三男4 金定基1 三井毅1 藤沢正清1 福岡賢一2 登谷大修2 田中延善2 井田正博3 秋元学3 尾崎監治5

所属機関: 1福井県済生会病院外科 2福井県済生会病院内科 3福井県済生会病院中央放射線診断部 4金沢医科大学病理 5尾崎病院内科

ページ範囲:P.675 - P.680

文献概要

要旨 術中膵管鏡検査で,初めて質的診断が可能であった粘液産生膵腫瘍の1例を報告する.患者は69歳の男性.数年来の上腹部痛発作を主訴に来院した.腹部超音波検査で主膵管の拡張を認めた.術前の腹部CT,ERCP,超音波内視鏡検査で主膵管の著明な拡張,膵実質の萎縮,膵尾部の多胞性囊胞の存在を診断したが,腫瘍の存在を証明できなかった.術中膵管鏡で膵尾部に乳頭状隆起の散在を認め,粘液産生膵腫瘍と診断した.病理組織学的には膵尾部主膵管から発生し,広範囲に膵管上皮内進展を示し粘液産生を有する膵管内乳頭状腺癌と診断した.膵管内腔への腫瘍増殖が平坦であったために術前の画像診断が困難であったと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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