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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻6号

1991年06月発行

症例

多発性偽憩室形成を伴い高度の直腸狭窄を呈した直腸粘膜脱症候群と考えられる1例

著者: 尾関豊1 鈴木雅雄2 飯沼元2 下川邦泰3 渡辺克4

所属機関: 1国立東静病院外科 2岐阜大学医学部放射線科 3岐阜大学医学部臨床検査医学 4岐阜市加納渡辺病院外科

ページ範囲:P.697 - P.700

文献概要

要旨 患者は63歳,女性のstrainerで,約40年にわたる便秘があった.直腸指診で肛門縁から約5cmの直腸に高度の狭窄を認めた.大腸X線では下部直腸に高度の非対称性両側性狭窄像を認め,直腸前右壁側にやや幅の広い不整形の潰瘍を認めた.多点粘膜集中,偽憩室形成を伴うことから直腸の変形は多発潰瘍によるものと診断した.大腸内視鏡では肛門縁から5cmの部位に高度の全周性狭窄を認め,その肛門側には粘膜ひだの集中を伴う,比較的浅い不整形潰瘍を認めた.病理組織学的にfibromuscular obliterationの像を呈し,直腸粘膜脱症候群と診断した.高度の直腸狭窄を伴う直腸粘膜脱症候群はまれであるので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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