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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻6号

1991年06月発行

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法

5.部位による工夫(1) ①食道・胃接合部

著者: 西俣寛人1 瀬戸山史郎2

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2鹿児島大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.706 - P.707

文献概要

 食道・胃接合部病変のX線診断は困難であると言われている.食道・胃接合部病変のX線検査法は二重造影法だけである.充盈法,圧迫法が利用できないことはX線検査を行ううえで不利な部位と言えるが,二重造影像をいろいろの角度から撮影でき,また多量のバリウムを使用しても小腸との重なりがない部位であるので,二重造影像は,胃の他の部位と比較して造影しやすい部位である.

 この部位は水平位ではバリウムが厚めに溜まっているために半立位にして余分なバリウムを落として撮影する必要がある.読影しやすい二重造影像を撮影するには,撮影フィルムと病変部を平行にすることが望ましい.食道・胃接合部の病変を正面像として撮影するには半立位(30~45度)の右側臥位~腹臥位第1斜位の体位が必要である.また病変が後壁側~小彎側にある場合の隆起性病変または陥凹のはっきりしている病変の撮影には立位第1斜位での撮影が有効なことがある.読影に関しては食道・胃接合部のX線像の形態を把握しておくこと,どのような病変が存在するかを知っておくことが必要である.Fig. 1に半立位の腹臥位第1斜位~右側位の体位で描写される食道・胃接合部の形態をシェーマにして示

した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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