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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻7号

1991年07月発行

文献概要

症例

自然消失した胃悪性リンパ腫の1例

著者: 吉峰二夫1 浜田勉1 窪田久1 三輪洋人1 大蔵隆一1 梁承郁1 渡邊晴生1 佐々木淳1 韓東植1 岩崎良三1 佐藤信紘1 林孝平2 二川俊二2 和田了3 桑原紀之3 白壁彦夫4

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部第2外科 3順天堂大学医学部第1病理 4早期胃がん検診協会中央診療所

ページ範囲:P.814 - P.818

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要旨 患者は69歳,女性.上腹部痛を主訴に近医を受診.胃内視鏡および胃X線検査を受け,胃角前壁に潰瘍を伴う隆起性病変を認めた.2回の生検(1回目,生検5個中5個に,2回目,生検4個中3個に各々悪性リンパ腫細胞を認めた)で,胃悪性リンパ腫と診断され手術目的のため当科に入院.入院後の胃X線および内視鏡検査では,潰瘍の縮小を認め,生検では腫瘍細胞を認めなかった.経過中,化学療法は施行せず,当初から抗潰瘍剤を,術前2週間よりH2antagonistを投与していた.切除標本上では腫瘍細胞は認めず,Ul-Ⅱの浅い潰瘍であった.その潰瘍底の粘膜下層には広汎な線維化を認め,腫瘍が存在していたと考え,潰瘍化により腫瘍が脱落し,自然消失に至ったものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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