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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻8号

1991年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌の治療 主題

転移陽性大腸sm癌の形態的特徴

著者: 岡部聡1 高橋慶一1 森武生1 高橋孝1 滝沢登一郎2 小池盛雄2

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.871 - P.875

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要旨 大腸sm癌133病巣(手術87病巣,内視鏡46病巣)のうち,手術例5病巣に2群までのリンパ節転移を認めた.手術例1病巣に肝転移,内視鏡例1病巣に肺転移をいずれも異時性に認め,切除術を施行した.これら7例の転移陽性大腸sm癌の平均腫瘍径は27mmであった.占拠部位についてはリンパ節転移例は直腸4例,下行結腸1例,遠隔転移の2例はいずれもS状結腸であった.肉眼型はIs型が6病巣,Ⅱa+Ⅱc型が1病巣であった.組織型は肝転移例が中分化腺癌,肺転移例が高分化腺癌(単純型),リンパ節転移例のうち1例が印環細胞癌で,その他の4例は部分的に中・低分化腺癌の混在する高分化腺癌(混在型)であった.これらの癌巣のsmでの拡がりは縦方向のみならず側方向にも顕著であった.以上より2cm以上のⅠs型大腸癌でsmでの拡がりが縦方向1mm以上,側方向5mm以上,中・低分化腺癌の混在が認められる場合には血行性転移に対する配慮と郭清を伴う大腸切除術が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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