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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻8号

1991年08月発行

今月の主題 大腸sm癌の治療

主題

転移陽性大腸sm癌の病理形態学的特徴

著者: 板橋正幸1 井垣弘康1 廣田映五1 半田豊1 牛尾恭輔2 山田達哉2 小黒八七男3 北條慶一4 森谷宜皓4 杉原健一4 赤須孝之4

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター研究所病院放射線診断部 3国立がんセンター研究所内科 4国立がんセンター研究所外科

ページ範囲:P.905 - P.910

文献概要

要旨 当院で過去26年間に切除された大腸sm癌130例中13例にリンパ節転移を認めた.13例の肉眼的および病理組織学的所見としては,Ⅰs型(4例),Ⅰps型(4例)が多く,粘膜下浸潤の深達level(深さ)をlevel1(浅い),2(中間),3(深い)と分けると,level3(8例),level2(4例)と深い例が多く,癌浸潤量を+(少量),++(中等量),+++(多量)とすると,+++(6例),++(5例)が多かった.sm大腸癌症例全体のsm深達levelおよび浸潤量との関連では,level3の症例45例中18%に,またlevel2の症例31例中13%にリンパ節転移を認め,深達levelが重要因子とみなされた.sm癌浸潤量(+++)の38症例中16%に,また浸潤量(++)の34症例中15%にリンパ節転移を認め,転移率はほぼ浸潤量に関連すると言えるが,微量の浸潤量でも深達level3のものは転移を示しており,必ずしも並行関係とは言えなかった.更に,ly,v因子陽性例は転移頻度が比較的高いが,ルーチン検索で陰性例でも転移が認められ,厳重な注意を要することが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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