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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻8号

1991年08月発行

初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法

7.胃癌の深達度診断 ①隆起型癌

著者: 渕上忠彦1

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.948 - P.949

文献概要

 結論から述べると,隆起型胃癌の深達度診断は容易ではないと思う.佐野ら1)は,隆起型胃癌の深達度はその大きさに比例して深部浸潤の頻度は増加すると述べている.すなわち,Ⅱa型では,2cmまではすべてmで,5cm以上はすべてsmに浸潤していると述べている.ちなみに当科での隆起型胃癌142病変の大きさ別深達度をTable1に示す.確かに大きさが増すにつれて深達度は深くなる傾向にあるが,2cm以下の42病変中12病変(29%)はsm癌で,5cmを超えるm癌もあり,大きさのみから深達度を判断するのは難しい.また,佐野ら1)は隆起表面に癌性潰瘍を生じ白苔を有するものはsmまたはそれ以下に進行していると述べているが,これはⅡa+Ⅱc型で純粋な隆起型ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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