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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻9号

1991年09月発行

文献概要

今月の主題 Ⅲ型早期胃癌の診断に迫る―潰瘍の良・悪性の鑑別 主題

胃潰瘍の良・悪性の鑑別―H2ブロッカーと悪性サイクル

著者: 中野浩1 荒木康久1 大橋秀徳1 保原怜子1 高浜和也1 渡辺真1 高野映子1 星野知久1 斎藤治人1 北川康雄1 宮地育郎1 伊藤圓1

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学消化器内科

ページ範囲:P.993 - P.1001

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要旨 胃潰瘍の良・悪性の鑑別診断は潰瘍辺縁の“Ⅱcのはみ出し”,“不規則な発赤”を捜し,その部位から的確に生検標本を採取することで行う.不整形の潰瘍,線状潰瘍の辺縁から生検を行うことも必要である.H2ブロッカーが投与された悪性サイクル例の12例のⅡc部分を検討すると,Ⅱcの境界の不明瞭な例,また,Ⅱc面が顆粒状となったり,より平滑になる例がみられた.これらの所見は厳密に考えるとⅡcの診断をより難しくする所見である.潰瘍合併早期癌には今後,H2ブロッカーが投与される機会が増えることが予想されるので,これらの症例の診断にはいっそう注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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