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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻9号

1991年09月発行

文献概要

今月の主題 Ⅲ型早期胃癌の診断に迫る―潰瘍の良・悪性の鑑別 主題症例

Ⅱc型からⅢ型形成への経過が観察された早期胃癌の1例

著者: 浜田勉1 梁承郁1 三輪洋人1 大蔵隆一1 近藤健司1 渡邊晴生1 岩崎良三1 佐藤信紘1 鎌野俊紀2 滝和博3 桑原紀之3 白壁彦夫4

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部第1外科 3順天堂大学医学部第1病理 4早期胃がん検診協会

ページ範囲:P.1025 - P.1028

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要旨 患者は67歳,女性.胃体部の潰瘍で経過観察中,X線検査で前庭部後壁に異常を指摘され,内視鏡で同部位にⅡc型病変を認め,生検で印環細胞癌が証明された.術前7日前の検査ではⅡc型の形態を確認したが,切除標本で,Ⅱc型の部位に一致して術前の形態と明らかに異なる巨大な急性潰瘍様の病変を認めた.病理学的検索では,前庭部の小彎から後壁にわたる45×25mm大のUl-Ⅲの巨大な潰瘍病変で,その辺縁全周に粘膜内に限局してわずかに印環細胞癌を認めるⅢ型早期癌であった.本例はⅡc型の癌の拡がりにほぼ一致して潰瘍化しⅢ型に変化した直後の状態を手術標本でとらえた,まれな症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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