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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻9号

1991年09月発行

文献概要

症例

残胃吻合部上のⅡc型胃癌の1例

著者: 細川治1 山道昇2 渡辺国重2 山崎信2 津田昇志2 服部昌和2 海崎泰治2

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理

ページ範囲:P.1045 - P.1049

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要旨 患者は50歳,女性で19年3か月前に胃ポリープにより胃切除,Billroth Ⅰ法再建術を受けている.腹痛を主訴に当科を受診した.胃X線像には,残胃大彎側の粘膜襞の中断と先細りがあり,これと胃十二指腸吻合線で囲まれた範囲に陥凹病変をみた.内視鏡検査では,胃十二指腸吻合部大彎に発赤した不整なびらんがみられ,その外側領域は退色調を呈していた.退色の内側からの生検で Group V,signet-ring cell carcinoma と診断されたので,残胃全摘術を施行した.摘出標本では大きさ1.7×1.1cmのⅡc型早期癌,組織学的には印環細胞癌で,粘膜下層に浸潤していた.吻合部の胃側粘膜には吻合部ポリープ状肥厚性胃炎の合併はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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