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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻9号

1991年09月発行

文献概要

症例

腺癌を合併した胃限局性若年性ポリポーシスの1例

著者: 尾前豪1 松井敏幸1 飯田三雄1 中尾譲1 藤島正敏1 今村秀2 八尾隆史2 伊藤英明3 岩下明徳4

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理 3九州大学医学部第1外科 4福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1050 - P.1058

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要旨 患者は65歳女性.45歳時に胃ポリポーシスを指摘され他院で胃部分切除を受けた.10年後残胃に多発ポリープの再発を認め,一部をポリペクトミーし,その組織学的診断は若年性ポリープであった.その後,毎年当科で経過観察したが,2年前から鉄欠乏性貧血,蛋白漏出性胃腸症に基づく低蛋白血症を来し,ポリープの巨大化,貧血の進行を認めた.胃以外の消化管にはポリープは認めず,また,家族歴にも特記すべき異常はなかった.胃全摘術を施行し,病理学的に検討した結果,若年性ポリポーシスの一部粘膜内に中分化と高分化の腺癌を認めた.本例のような胃に限局した若年性ポリポーシス症例は極めてまれであり,長期間経過観察できた症例の報告はない.癌の合併と共に疾患概念に関して文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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