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文献詳細

雑誌文献

胃と腸26巻9号

1991年09月発行

症例

multiple lymphomatous polyposis様の消化管病変を伴った全身性悪性リンパ腫の1例―その治癒過程の観察を含めて

著者: 大塚弘友1 岡村雅子1 磯彰格1 清水誠治1 多田正大1 川井啓市2

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.1067 - P.1072

文献概要

要旨 患者は67歳女性,主訴は新鮮血の下血.左右頸部と縦隔にリンパ節の軽度腫大を認めた.消化管X線・内視鏡検査で十二指腸から直腸にかけて中心陥凹を持つ小隆起性病変が多発し,特に十二指腸と回腸終末部,下部大腸に密生していた.直腸の隆起性病変を試験切除し,non Hodgkin's lymphoma,diffuse large cell type,B cellと診断した.化学療法により隆起性病変は徐々に縮小し黄白色の小顆粒状隆起となり,治療開始約3か月後には消失した.本症例は multiple lymphomatous polyposis (MLP) of the gastrointestinal tractの形態を呈した全身性悪性リンパ腫の1例と考えられ,その治癒過程から,MLPにおける完全緩解の画像診断の基準として興味深い症例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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