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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻1号

1992年01月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の自然史を追う―経過追跡症例から 主題

逆追跡による胃癌の発育経過―2年以上の内視鏡経過観察例について

著者: 小越和栄1 加藤俊幸1 丹羽正之1 斉藤征史1

所属機関: 1県立がんセンター新潟病院内科

ページ範囲:P.51 - P.58

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要旨 われわれは2年以上にわたり内視鏡観察がなされた隆起型癌7例,陥凹型癌24例について,その形の変化,組織像と進行度との関連,観察期間と進行度の相関などを中心に検討を行った.その結果は次のごとくであった.(1)隆起型も陥凹型も高分化型管状腺癌は中分化型管状腺癌に比べ著しい進行度の差がみられた.この傾向は陥凹型でより顕著であった.しかし,低分化型管状腺癌では症例が少ないため,はっきりとした差は認められなかった.(2)観察期間と進行度および大きさとは隆起型では関連性がみられたが,陥凹型では相関はなかった.これは陥凹型では比較的早期に癌の脱落が起こるためで,われわれの症例では21年7か月の経過で粘膜内癌に止まっていた症例があった.(3)早期胃癌の型の変化では隆起型の2例,陥凹型の3例がいずれもBorrmann2型に移行していた.またⅡc+Ⅲ進行型が2例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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