icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻1号

1992年01月発行

今月の主題 胃癌の自然史を追う―経過追跡症例から

主題症例

4年7か月の経過の後linitis plastica型に発展したⅡc型早期胃癌の1例

著者: 山脇優1 山崎信1 細川治1 渡辺国重1 津田昇志1 山道昇2

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理

ページ範囲:P.69 - P.75

文献概要

要旨 患者は52歳の女性.1985年9月,47歳時に胃集団検診で異常を指摘され,当院を受診.精査の結果,体下部後壁のⅡc型早期胃癌と診断した.患者は癌の告知にもかかわらず手術を強く拒否した.その後,経時的に経過観察を施行.Ⅱc類似進行病変を経て,限局性の壁硬化が始まるまでに比較的緩徐に経過し,以後急速にlinitis plastica型胃癌へと進行した.上腹部痛および食欲不振を来し,患者は手術を希望.1990年5月11日,胃全摘および膵,脾合併切除術を施行した.本症例はretrospectiveな考察と異なり,初回検査時に胃癌の確診を得,linitis plastica型胃癌までの発育過程を経時的に捉えた点で興味あるものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら