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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻1号

1992年01月発行

今月の主題 胃癌の自然史を追う―経過追跡症例から

主題症例

腺腫の癌化と考えられたⅠ型早期胃癌の1例

著者: 川合耕治1 中込昭人1 望月仁1 堀家誠一1 武藤哲也1 中込洋子1 高相和彦1 須田耕一2

所属機関: 1山梨県立中央病院消化器内科 2山梨医科大学第1病理

ページ範囲:P.83 - P.90

文献概要

要旨 患者は71歳,男性.当院において1978年5月(61歳時)から1983年11月までの5年間,胃体下部大彎の小隆起性病変を,腺腫として経過観察された.1983年時,内視鏡的切除が予定されたが,患者が未受診のまま5年間経過し,初回から10年経過した1988年4月再来院した.病変は形態学的に著明に変化,増大し,癌の診断で内視鏡的切除を試みたが完全切除しえず,開腹手術した.組織学的には粘膜固有層内にとどまるⅠ型早期癌であった.術後の再検討では,当初の内視鏡所見および生検組織像は腺腫と一致する所見であったが,3年後の1981年の時点では,生検組織像から癌が強く疑われた.臨床的には,極めてまれとされる腺腫の癌化と考えられたため,若干の文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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