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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻1号

1992年01月発行

今月の主題 胃癌の自然史を追う―経過追跡症例から

主題症例

Ⅱc(Ul-)からBorrmann 2型胃癌への発育が4年8か月にわたり逆追跡された1例

著者: 三輪洋人1 浜田勉1 大蔵隆一1 梁承郁1 渡邊晴生1 近藤健司1 岩崎良三1 寺井毅1 松川正明1 和田了2 桑原紀之2 白壁彦夫3 佐藤信紘1

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部病理 3早期胃がん検診協会中央診療所

ページ範囲:P.105 - P.110

文献概要

要旨 胃角部のⅡc(Ul-)(生検組織の見直しで癌陽性)から肝転移を有するBorrmann2型胃癌への発育が,4年8か月にわたり内視鏡およびX線検査で経過観察された症例を報告した.本症例は粘膜内にとどまるⅡcの段階ではほとんど形態変化を認めず,急速に形態の変化を示して進行癌に発育した.胃癌はある時点を過ぎると急速に進展すると考えられ,なかでも潰瘍を伴わない限局型胃癌は急速な発育を示すことが多い.本例は,胃癌が早期癌として肉眼的に認識されるようになってから潰瘍合併所見を認めないまま肝転移を伴った進行胃癌へ発育するまでのほぼ全過程が捉えられたまれな症例と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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