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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻10号

1992年10月発行

文献概要

今月の主題 胃癌の深達度診断mとsmの鑑別―内視鏡的治療のために 主題

内視鏡によるm・sm胃癌の鑑別

著者: 光永篤1 村田洋子1 長廻紘1 鈴木茂1 池田郁雄2 中村真一2 春木京子2 千葉素子2 横山聡2 橋本洋2 小幡裕2 鈴木博孝3

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター消化器内視鏡科 2東京女子医科大学消化器病センター消化器内科 3東京女子医科大学消化器病センター消化器外科

ページ範囲:P.1151 - P.1166

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要旨 隆起型早期胃癌では,大きさは深達度診断の重要な要素で,2cm以下のⅡa型ではsm癌を認めず,Ⅰ型,Ⅱa型ともに2cmを越えるとsm癌の頻度が増すが,表層拡大型だけは大きさと深達度との間に関連を認めなかった.そのほか,sm浸潤を示唆する所見として,楔形の鋭い陥凹,著明な発赤,粗大な結節状隆起が見られた.陥凹型早期胃癌では,大きさと深達度との間にある程度の関連はあるものの,1cm以下のものにもsm癌を認め,これが陥凹型での深達度診断を難しくしている一因と考えられた.また,sm癌をm癌と誤診したものの多くは,sm浸潤がごく一部に限局していたもので,このような症例では,見直しによってもsm癌と診断するのは困難と考えられた.一方,m癌をsm癌と誤診したものでは,Ⅲ型の関与を多く認めた.Ⅱa+Ⅱc型早期胃癌では,隆起部分の粘膜性状を正確に診断することが,深達度診断にとって重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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