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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻10号

1992年10月発行

文献概要

症例

直腸原発の血管肉腫の1例

著者: 加賀克宏1 加納潤一1 荒川明1 古川剛1 宮田章弘1 篠辺泉1 伊藤彰浩1 広瀬善道1 林繁和1 中井堯雄2 中井啓之2 佐竹立成3

所属機関: 1名古屋掖済会病院消化器科 2名古屋掖済会病院外科 3名古屋掖済会病院病理

ページ範囲:P.1191 - P.1197

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要旨 患者は,46歳の女性.便秘,下血を主訴に当科を受診.注腸X線検査で,直腸膨大部直上に立ち上がりのなだらかなほぼ全周性の狭窄像を認めた.大腸内視鏡検査では,中心に潰瘍を伴い粘膜ひだの集中した隆起性病変を認めた.また,その周辺もなだらかに隆起していた.生検では低分化腺癌と診断され,低位前方切除術を施行した.切除標本肉眼所見では,潰瘍を伴う隆起性病変であり,粘膜ひだが集中していた.病理組織学的検索で,血管肉腫(悪性血管内皮腫malignant hemangioendothelioma)と診断された.直腸原発の血管肉腫は極めてまれで,過去40年間の国内外文献検索によれば,本例が6例目であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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