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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻10号

1992年10月発行

文献概要

症例

多発性の腺腫(dysplasia)を伴った潰瘍性大腸炎の1例

著者: 檜沢一興1 檜沢一興2 渕上忠彦1 岩下明徳3 平川雅彦1 綾部俊一郎1 松坂俊光4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2九州大学医学部第2内科 3福岡大学筑紫病院病理 4松山赤十字病院外科

ページ範囲:P.1199 - P.1207

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要旨 患者は64歳,男性.1979年4月,血便が出現し当科を受診.全大腸型の潰瘍性大腸炎と診断され,サラゾピリン・ステロイドを使用するも慢性持続型に経過した.1989年7月の定期検査にて潰瘍性大腸炎は寛解状態であったが,横行結腸近位部に22×20mmの広基性隆起,脾彎曲部に17×8mmの扁平隆起,直腸に20×12mmの顆粒状平坦隆起を認め,結腸全摘・直腸粘膜抜去術を施行した.病理組織学的には,すべて中等度異型の腺管腺腫であった.更に全割切片上,S状結腸には顕微鏡的に3mmの異型上皮巣を認めた.潰瘍性大腸炎に伴う腺腫(dysplasia)の診断上,興味深い症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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