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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻10号

1992年10月発行

文献概要

症例

S状結腸に単発した巨大潰瘍の1例

著者: 藤林圭一1 大井秀久2 西俣寛人2 徳元攻2 野村紘一郎1 西俣嘉人2 加藤修一2 新原享2 有馬暉勝2

所属機関: 1鹿児島県立北薩病院 2鹿児島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1209 - P.1215

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要旨 患者は80歳,女性.下血にて来院.X線,内視鏡でS状結腸に単発した類円形の深い潰瘍を認めた.潰瘍は腸間膜付着側で,大きさは腸管の1/4周,境界は明瞭,周辺粘膜は異常なかった.その後,約6か月で治癒し,再発はなく,新たに他の部位に病変を生じることもなかった.発症が突然である以外,臨床像に特徴はなく,病理組織像にも特異的所見がないため,鑑別診断は困難であった.画像診断を,白壁の言う点・線・面だけでなく,腸管壁各層の深さをも入れた三次元的,更に時間(経過)因子を入れて四次元的に行い,本症例の診断は,辺縁動脈から分枝した直動脈の障害による極めて限局性の壊死穿孔型の虚血性腸炎の可能性が高いと推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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